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中沢 哲也; 内藤 明*; 有賀 武夫; Grismanovs, V.*; 知見 康弘; 岩瀬 彰宏*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 367-370(2), p.1398 - 1403, 2007/08
被引用回数:43 パーセンタイル:92.87(Materials Science, Multidisciplinary)高エネルギーXeイオンを照射したLiTiOの構造変化をラマン分光法を用いて調べた。LiTiOのラマン信号強度が照射により減少した。ラマン信号強度の減少は構造単位(TiO, LiO, LiO)におけるTiやLi周辺の酸素原子の配置に関する秩序の消失、すなわち無秩序化に起因している。このような構造単位の無秩序化は照射量や電子的エネルギー付与量より電子的阻止能と密接に関連していることが示された。
中沢 哲也; Grismanovs, V.*; 八巻 大樹; 片野 吉男*; 有賀 武夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.166 - 170, 2003/05
被引用回数:33 パーセンタイル:88.19(Instruments & Instrumentation)高エネルギー酸素イオン照射したLiTiOの結晶構造及び化学状態等の変化をラマン分,X線回折及び走査型電子顕微鏡(SEM)で調べた。ラマン分光分析からは化学構造の際だった変化は観察されなかった。一方、X線回折からは1.2E+19 ions/mまでの照射で(002)の回折ピークの減少が他のピークと比較して著しいことが観察された。この結果はLi原子とTi原子の部分的なミキシングが照射によって引き起こされていることを示している。このような照射によるミキシングに起因した無秩序化への移行が表面層での粒構造の消失としてSEMによっても観察された。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanovs, V.*; 片野 吉男*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1436 - 1440, 2002/12
被引用回数:1 パーセンタイル:10.15(Materials Science, Multidisciplinary)本研究ではリチウムシリケイトからのトリチウム放出に関する基礎的な知見を得るために非経験的分子軌道計算を用いてリチウムシリケイトとAl添加リチウムシリケイトの表面水酸基とHの同位体交換反応について調べた。計算はGaussian98を用いてHF/3-21G, HF/6-31G**, MP2/6-31G**の理論レベルで行った。HSiOHをシリケイトガラスにおける表面水酸基のモデルとして、HSi(OH)Al(H)OSiH はAlを含んでいるシリカガラスの表面水酸基のモデルとして選んだ。各クラスターとH2の交換反応に対して計算されたHF/6-31G**活性化エネルギーはそれぞれ88.1と42.7kcal/molである。活性化エネルギーのこのような減少はAl原子の相互作用に起因した表面水酸基の電荷の変化と関連している。各原子の電荷をMulliken population解析によって求めた。その結果、表面水素原子のイオン性が表面水酸基に対するAl原子の直接の相互作用によって増加していた。他の理論レベルにおいても同様の結果が得られた。得られた計算結果はAl原子の相互作用によってリチウムシリケイトの表面水酸基とHの交換反応がより低い温度で行われることを示唆している。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanovs, V.*; 片野 吉男*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 302(2-3), p.165 - 174, 2002/04
被引用回数:3 パーセンタイル:23.41(Materials Science, Multidisciplinary)本論文では、リチウムシリケイト表面に水酸基の形で存在するトリチウムの放出過程を理解するため、シリカ表面に孤立して存在する水酸基(-OH)と水分子の相互作用と水素放出反応過程について非経験的分子軌道計算により調べた。表面水酸基からの水素放出反応として表面水酸基と水分子の間で起る水素交換反応と水酸基交換反応について検討を行った。その結果、水素放出はシリカ表面水酸基のSi-O結合の切断による水酸基交換反応で起ることが分かった。この水酸基交換反応はプロトン供与体として働く水分子と表面水酸基の複合体において進行する。したがって、シリカ表面からのトリチウム放出は水分子と表面水酸基の間における水素交換反応ではなく、それらの間での水酸基交換反応で進行するものと考えられる。また、この反応の反応エネルギー障壁は24.4kcal/molと計算された。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanovs, V.*; 片野 吉男*
Journal of Nuclear Materials, 297(1), p.69 - 76, 2001/07
被引用回数:9 パーセンタイル:56.08(Materials Science, Multidisciplinary)本研究ではシリカ,シリケイト化合物などの1対の表面水酸基がHO分子を生成して脱離する反応プロセスについて基礎的な知見を得るために非経験的分子軌道計算を用いて調べた。特に、表面水酸基に対するAl原子の直接の相互作用がこの反応に及ぼす影響に関して検討を行った。計算はGaussian98を用いてHF/6-31G**, MP2/6-31G**の理論レベルで行った。表面水酸基におけるHO分子の生成・脱離反応経路に関するエネルギープロフィールを計算により求めた。その結果、表面水酸基に対するAl(OH)ユニットの相互作用によってHO分子の生成や脱離に必要な活性化エネルギーは低下することがわかった。この活性化エネルギーの低下はAl(OH)ユニットの表面水酸基への相互作用による構造変数と電荷分布の変化と密接に関係している。
野田 健治; 石井 慶信; 松井 尚之*; 大野 英雄; 平野 真一*; 渡辺 斉
Journal of Nuclear Materials, 155-157, p.568 - 571, 1988/00
被引用回数:14 パーセンタイル:77.97(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉の固体トリチウム増殖材料である酸化リチウム及び-アルミン酸リチウムの照射損傷を核融合炉ブランケット条件における照射耐久性やトリチウム回収性能を評価するための基礎データを得る目的で調べた。 酸素イオン(120MeV)照射した酸化リチウムのイオン電導度を真空照射チェンバー中で照射をくり返しながら測定した。3.510ions/mまでの照射量では、その489Kにおける電導度は照射量とともに減少した。また、照射後等時焼鈍実験を行うと、照射によるイオン電導度の低下は500~570Kで回復した。このような照射時及び焼鈍時におけるイオン電導度の挙動が照射損傷とリチウム空孔の動き(すなわちリチウム原子の拡散)との関連で討論される。この他、光吸収法及び透過電子顕微鏡法を用いた-アルミン酸リチウムの照射損傷の研究についても言及される。